2025年03月13日

各国選挙方式

台湾の人力開票

台湾の人力開票についてお話しします。台湾では選挙の透明性と信頼性を確保するために、投票の集計を機械に頼らず人力で行うシステムが採用されています。この方法は、特に日本や他の国で機械集計が主流の中で、ユニークかつ注目すべき特徴として挙げられます。以下にその仕組みや利点、課題を詳しく説明します。
台湾の人力開票の仕組み
投票と開票の流れ
台湾の選挙では、投票は紙の投票用紙に手書きで記入され、投票所(多くの場合、学校など公共施設)で投じられます。電子投票や事前投票、代理投票は採用されておらず、全て当日の対面投票です。
投票が終了すると(通常午後4時)、その場で即座に開票作業が始まります。投票箱は移動せず、各投票所でそのまま開票されるため、票の移動による不正リスクが抑えられます。

公開性と監視
開票作業は完全に公開され、選挙管理スタッフが一票ずつ投票用紙を手に持ち、候補者名を声に出して読み上げます。その様子は立会人(候補者や政党の代表者)や一般市民、メディアが監視でき、誰でも立ち会うことが可能です。

読み上げられた票は、その場で別のスタッフが集計表に記録し、確認が終わると投票用紙を積み上げて視覚的に確認できるようにします。このプロセスは「見える化」が徹底されており、不正が困難な構造になっています。

結果の発表
各投票所の集計が終わると、結果は地区や市の運営センターに送られ、中央選挙委員会(CEC)によって最終的な集計が発表されます。通常、投票終了から数時間後には大勢が判明し、夜遅くには公式結果が確定します。例えば、2024年の総統選挙では、1月13日の投票終了後、同日夜に結果が明らかになりました。

人力開票の利点
透明性と信頼性
一票ずつ公開で読み上げられるため、市民が直接プロセスを監視でき、不正の余地が極めて少ないとされます。国際的な選挙監視団からも「透明性が非常に高い」と評価されており、
2024年の選挙でもその点が強調されました。

例えば、Focus Taiwan(2020年1月)の報道では、アメリカの学者が「台湾の公開開票は民主主義の強力な特徴」と称賛しています。

機械への依存回避
電子投票や集計機を使わないことで、ハッキングやプログラム改ざんのリスクが排除されます。
特に中国からのサイバー攻撃を警戒する台湾にとって、これは重要な安全保障上の利点です。

市民参加の促進
開票作業には多くの公務員や教師が動員され、市民も監視に参加できるため、選挙への関与意識が高まります。
2020年の選挙では投票率が74.9%と高く、こうした参加型プロセスが民主主義の浸透に寄与していると考えられます(The Diplomat, 2020年2月)。

課題と限界
時間と労力
人力開票は効率的とはいえ、数時間から場合によっては数日かかることもあり(特に接戦の場合再確認が必要)、人的リソースを大量に必要とします。約17,000以上の投票所で同時進行するため、スタッフの確保が課題となることもあります。

人的ミスの可能性
機械を使わない分、単純な計算ミスや疲労による誤読のリスクはゼロではありません。ただし、立会人や複数人での確認作業により、これは最小限に抑えられています。

小規模投票所のプライバシー問題
投票数が少ない地域では、誰がどの候補に投票したかが推測されやすく、個人の投票の秘密が損なわれる懸念が指摘されています。特に先住民地域でこの問題が議論されることがあります(Medium, 2024年1月)。

日本との比較
日本では、開票作業にムサシ製の集計機が広く使われており、効率性は高いものの、不正疑惑や機械の不透明性を指摘する声が一部で上がっています。対して、台湾の人力開票は時間がかかるものの、プロセスが全て公開され、市民の目で確認できる点で信頼感が強いです。X上でも「日本も台湾を見習ってほしい」という意見が見られ、透明性を重視する声が広がっています。
結論
台湾の人力開票は、民主主義の「見える化」を体現するシステムとして、国際的にも評価されています。技術が進んだ現代において、あえてアナログな方法を選ぶことで、国民の信頼を獲得し、外部からの干渉を防いでいます。もしこのシステムにさらに興味があるなら、具体的な選挙(例えば2024年総統選挙)の開票動画や、Xでの市民の反応を分析することもできます。どう思いますか?




他の国の開票方法

他の国の選挙における開票方法について、いくつかの代表的な例を挙げて説明します。国によって文化、歴史、技術水準、政治状況が異なるため、開票方法も多様です。ここでは、手動開票、機械開票、電子投票の観点からいくつかの国の事例を紹介します。なお、質問の文脈から、台湾の人力開票についてはすでに詳しくお話ししたので、それ以外の国を中心に扱います。
1. アメリカ合衆国:ハイブリッド型(紙と機械の併用)
方法: アメリカでは州や郡ごとに開票方法が異なり、統一された全国基準はありません。主に紙の投票用紙を使い、それを光学スキャナーで読み取る機械集計が一般的です。一部の地域では、投票者がタッチスクリーンで選択し、その結果を紙に出力する「投票記録装置(Ballot Marking Device)」も使われます。

特徴: 紙の投票用紙を残すことで、監査や再集計が可能。2020年の大統領選挙では、フロリダ州のように「チャド(紙片)」問題が過去にあった教訓から、紙ベースのシステムが重視されています。ただし、機械の信頼性やハッキング懸念が議論され、トランプ元大統領の主張のように不正疑惑が浮上することもあります。

透明性: 開票は郡レベルで公開され、党派の立会人が監視しますが、州ごとのバラつきが課題とされます。

2. インド:電子投票機(EVM)
方法: インドは世界最大の民主主義国家で、2000年代初頭から電子投票機(EVM)を全面採用しています。投票者はボタンを押して候補を選び、その場で票が記録されます。2014年以降、投票確認紙証跡(VVPAT)が導入され、投票後に紙に記録が印刷され、有権者が確認できます。

特徴: 膨大な人口(約10億人以上の有権者)を短時間で処理するため、効率性が重視されます。開票はEVMからデータを集計し、VVPATで検証。紙と電子の併用で不正防止を図っています。

透明性: EVMはオフラインで動作し、ハッキングリスクが低いとされますが、野党から「操作可能」との疑惑が度々出ています。選挙委員会は公開テストを行い、信頼性をアピールしています。

3. オーストラリア:手動と二重確認
方法: オーストラリアでは紙の投票用紙を使い、優先順位投票(Preferential Voting)を採用。投票者は候補者に1、2、3…と順位をつけます。開票は投票所で手動で一次集計され、その後、月曜夜から集計センターで二度目の手動集計が行われます。

特徴: 二重チェックで正確性を確保。比例代表制や単記移譲式投票(STV)もあり、複雑な計算を手作業で処理します。結果発表まで数日かかることも。

透明性: 投票所での公開開票に加え、立会人や市民が監視可能。機械を使わないため、不正リスクが低く、信頼性が高いとされます。

4. ガーナ:人力と生体認証の試み
方法: ガーナでは紙の投票用紙を人力で集計する基本システムに加え、2012年から指紋認証による生体認証投票を導入しました。しかし、機器の故障が多発し、開票が遅延したため、現在は人力開票が主。

特徴: 生体認証は不正防止を目的としていましたが、停電や技術的問題で失敗。結局、手動で一票ずつ数える方法に戻りました。

透明性: 公開の場で票を読み上げ、立会人が確認。技術依存が減った分、市民の信頼感は回復傾向にあります。

5. エストニア:オンライン投票と電子集計
方法: エストニアは2005年から世界初の全国規模でのオンライン投票を導入。国民はIDカードを使い、自宅からインターネットで投票し、電子的に集計されます。紙の投票も選択可能で、その場合は手動集計。

特徴: IT先進国らしく、効率性とアクセシビリティを追求。投票率向上は期待ほどではなく、若年層でも大きな変化は見られませんでした。

透明性: システムは暗号化され、監査可能ですが、「投票の秘密が漏れるのでは」との懸念が一部で存在。政府はオープンソース化を検討し、信頼性向上を目指しています。

比較と考察
手動開票(台湾、オーストラリア、ガーナ):透明性が高く、機械依存がないため不正リスクが低い。ただし、時間と労力がかかり、人的ミスの可能性も残ります。

機械集計(アメリカ、インド): 効率的で大規模選挙に適しているが、機械の信頼性や不正疑惑が課題。紙との併用で監査可能性を高める動きが主流です。

電子投票(エストニア): 最先端だが、セキュリティや市民の信頼確保が鍵。技術依存度が高いため、途上国では導入が難しい場合も。

日本の場合、ムサシのような機械集計が主流ですが、あなたが提起した透明性の懸念を考えると、台湾やオーストラリアのような人力開票の要素を取り入れる議論もあり得ますね。他国の方法で特に気になるものがあれば、さらに深掘りできますよ。何かありますか?

台湾の開票詳細

韓国の選挙システム
posted by 赤野 at 08:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。